Q&A

Q.

A.

子供の鼠径ヘルニア(脱腸)も少なくありません。むしろ、子供の方が多いと考える事の方が自然です。

子供の鼠径ヘルニア(脱腸)は、お腹の膜から睾丸が外側に移動するための通り道が塞がっていないときに、お腹の圧が高くなって腸などが飛び出すものです。幼児期であれば、このお腹の膜を縫うことで閉じてしまう手術が一般的です。成人の治療として紹介しているメッシュプラグやクーゲルパッチを使った手術は、成長過程で違和感、異物感となるので子どもには一般的には行われておりません。基本は縫い合わせる手術です。時間も数十分で終わると考えて下さい。

子供の鼠径ヘルニア(脱腸)で、“スポーツヘルニア”という言葉を耳にしたことがありませんか?インターネットで検索すると、そけい部の痛みについて書かれている記事が出てきます。その中でスポーツの特殊な運動によって、関節の痛みがそけい部に発生するという記事があります。このスポーツヘルニア(そけい部痛症候群)と鼠径ヘルニア(脱腸)は全くの別ものです。

ここでテーマになっているそけいヘルニアの場合は、そけい部がふくらんでいるかどうかがひとつの目安であると考えます。しかし、常に膨らんでいない場合は、どのような運動をするとそけい部の痛みが発生するのかを考えるべきです。腹筋を激しく使う運動の場合、吹奏楽などお腹に力が入る事も原因となり脱腸になることも考えられます。

スポーツヘルニアとの違いは、お腹の膜から腸が外に出ている(出そう)ということがポイントです。激しい運動、重いもの持ち上げるなど様々なきっかけでそけいヘルニアになることがあります。 当院では、様々な症例から適切な診断を行い、スポーツにも差し支えのない手術を行うことが可能です。気になることが有りましたら受診をお勧めいたします。